

航海出航前の独り言 2009年3月更新
2001年から2003年にかけて日本一周の航海を達成し、2005年には瀬戸内海周遊も果たし
このところ手持ち無沙汰な日々を過ごしておりました。
もちろんそれだけで終わらせたくはありません。夢としてはカリブ海、エーゲ海、南太平洋などを
何年もかけて巡る航海をしたいのはやまやまですが、なにしろ先立つものがありません。
本当に夢でしかありませんが、長期航海に耐えるクルージングタイプのヨット に乗って世界を
巡ることが出来たらどんなに素晴らしいか、経済力の無いわが身が恨めしい。
もっとも経済力が無くても若さと体力があれば何とかなるかも知れませんが、それも無い。
な〜んて事を言っていても始まらない。ここは一つ出来る範囲内で行動を起こそう。さて何をやるか?
そうだ外国などと言わずにまだまだ日本にも素晴らしい所がたくさんあるではないか。
フーテンの寅さんのように、日本の津々浦々をふらりと立ち寄ってみるのもなかなかいいものだ。
寅さんと同じようにマドンナに巡り会えてもなかなか良い思いをすることはないけれども。
色気はまだ残っているが、なにしろ独身の寅さんと違ってこちらは孫までいる身なのだから。
ただ前回と同じではなく、少し趣を変えた航海にしてみよう。何をするか?
エンジン無しのヨットで航海するなどもいいアイデアだが、我輩の体力では無理だろうな。
そうだ、21フィートのヨットで本州一周したという話は聞いたことはあるが、
20フィート以下のヨットでシングルハンドで本州一周したという年配者の話は聞いたことがないぞ。
ということで昨年から20フィート以下のクルーザーヨットを探していたところ、22年物ですが若さんの
財布にぴったりの売り物がありました。
同じ時期に前の海光丸も引き取り手が見つかったので、即買い取りました。
それが18フィートの中古の LUNE DE MAI リュンドメ です。
LUNE DE MAI 550の詳細はニュージャパンヨット社のホームページをご覧下さい。
でも何故前の26フィートを止めて18フィートにしたか?
もう1つの理由があります。
それは前の海光丸で航海しながら常々感じていたことですが、最近特に40フィート、50フィートと
それは豪華なヨットをたびたび見かけたことです。
日本の世の中にはヨットに対して大きな偏見があります。
それは「ヨットはしょせん金持ちの道楽だ」という意見です。
この考えは全くの偏見であり正さないといけない風潮だと思います。
しかし、最近の豪華なヨットがはびこっている現状からすると一概に偏見だと言い切れないのかも知れません。
とにかく私はこの世の偏見を助長する側には組しないことにしました。
組しないだけではなく、偏見であり間違っていることを自ら証明する行動として18フィートを
選んだのです。このクラスのヨットであればお金持ちでなくても所有できます。
もっともバース(保管場所)の費用が高いという問題は依然として残りますが、
この問題は個人としては解決アイデアは残念ながら持ち合わせていません。
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新規に装備したもの
1.6HPの船外機 中古で買ったリュンドメに付いていた古い船外機はもう寿命でした。
それにこのところのガソリンの高騰を考えると、燃費の良い4サイクルにした方がいいとの判断
からです。しかし4サイクルは2サイクル船外機のほぼ倍の重量があります。
なにしろリュンドメの船体重量は500〜600kgしかありません。船外機があまり重いと
スターンヘビーになって、回転数を上げるとスターンが沈んでバウが揚がった状態になるのでは
ないかと考え、8馬力ではなく軽めの6馬力、しかもセルモーター無しのモデルを買いました。
しかし買った後やはりバッテリーに充電したいと、充電するためのオプション備品を買おうと
しましたが、YAMAHAでは売っていません。しかもセル付きでないと充電出来ないと
言われてしまいました。セル無しモデルで充電しても保証出来ないという話です。
ところが2010年4月に新しいニュースが飛び込んできました。いつから実用化されたのか不明ですが
セル付きでない4サイクル船外機でもレクチファイアをレギュレーター付きレクチファイアに交換すれば
バッテリーに充電出来るそうです。これはグッドニュースです。
実際2010年4月にレクチファイアを交換してみたところ正常にバッテリーに充電出来るようになりました。
2.ハードドジャーを自作して取り付けました。
しかし結果として失敗作でした。それは こちら をご覧下さい。
とても残念ですが2009年はドジャー無しでの航海ということになってしまいました。
2010年にはアルミフレームにテント屋さんに頼んで作ってもらったドジャーを取り付けて出港できました。
下の写真がそれです。
3.バッテリーと太陽電池
先に記述しました通り船外機は発電しないタイプを選んでしまいましたので、電気は太陽電池でまかなう
ことにし、11Wのものを買いました。

太陽電池からの電気はバッテリーに溜め込む訳ですが、容量80Ahのバッテリーを取り付けてあります。
海光丸は原則として夜には航行しませんので航海灯は点燈しません。
電気を使うのは、オートパイロット、パソコン、ハンディGPS,それと夜の船内照明です。
テレビは無いしオーディオも冷蔵庫も無い、ラジオは電池ですし、無線機も有りません。
あと必要なのは携帯電話機の充電電源くらいですからこの容量のバッテリーで多分足りるでしょう。
パソコンや携帯電話用にインバーターは用意しました。
ただ、念のためもう1台ハンドキャリータイプのバッテリーも積み込みました。

容量は20Ahと小型ですがAC又はDC(車から)で充電出来、且つAC100VとDC12Vの出力が取れます。
おまけに小型ですが蛍光灯も付いています。ACが取れるマリーナで充電することになります。
しかし実際に航海に出てみるとパソコンが以外に多くの電気を消費するのです。とても用意したバッテリーや太陽電池では
足りないことが分かりました。一番電気を消費するパソコンにバッテリーから供給するのを止めました。
80Ahのバッテリを積んでいますが、これはオートパイロットとハンディGPSと携帯電話充電を優先しています。
そのうえこのメインバッテリからパソコンへ充電すると、直ぐに消耗してしまうに違いありません。
それはしてはならない事です。太陽電池からの充電は微小電流で、あまり期待できない電源なのです。
従って出来るだけ外に持ち出してAC100Vを探して、そこでパソコンしているのです。
発電機を買おうかとも考えていますが、値段はかなりします。5万円切るのもYAMAHAにありますが
それはサイズが大き過ぎ積み込むスペースがありません。しかも重量が20Kgを超えます。
いいなと思うものは9万円を超えた値段で手が出ません。
状況が変わったのが2010年4月になって確認できました。1.の船外機の項目でも触れたように
船外機から充電が出来るということで改造し、この問題は解決しました。
ところでハンドキャリータイプのバッテリーですがあまり役には立っていません。パソコンに繋いでパソコンの
バッテリーに充電すると1回でハンドキャリータイプのバッテリーが空になってしまいます。
2〜3回は充電出来るともくろんでいましたが裏切られました。これではせいぜい携帯電話の充電にしか使えません。
4.水深計
本州の沿岸をなめて航行するにはどうしても水深を確認しなければなりません。
しかし高い計器は買えないので、舷側から水中に垂らして測定する水深計を買いました。

黒い円柱部がセンサーで、黄色部にスイッチと表示窓があります。その間のケーブルは長さ10mです。
センサーを水面に垂らしてスイッチを押すと測深を開始し、すぐに水深が表示されます。電源は電池です。
もともとこの水深計は釣り人用のものです。さあうまく使えるかどうか?
船への取り付け方法と使い方は 「折々の雑記」 をご覧下さい。
使ってみての感想は航海記に記載する予定です。
5.データ通信カード
2001年に前回の航海を始めた頃はインターネットはドコモの携帯電話movaを利用していました。
その頃の通信速度は非常に遅く確か9.6kbpsだったと思います。スピードをかせぐために2台目としてPHSも
利用していましたが、通信可能エリアが非常に限られていて思うにまかせられなかったことを覚えています。
時代は進歩しています。今回の航海の出発にあたって新たにドコモのFORMAのデータ通信カードを買って
通信契約をしました。これであれば最大7.2Mbpsで通信できるそうです。パソコンへの接続はUSBに挿す
だけですし、通信料金も最大6000円とmovaと比べれば1/3弱とかなり使い易くなりました。

左側面に挿してあるのがデータ通信カードです。
その他
オートパイロット取り付け、スタンディングリギンの交換、セールの改造、世界測地系海図の購入
船台の改造などなど追加工事に蓄えと小遣いを全てつぎ込むことになってしまいました。
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先代の海光丸は26フィートあり、エンジンもヤンマーの2GMを積んでいました。
この2GMは大変頼りがいのあるエンジンでした。しかし頼りがいがあるため前の航海では
エンジンに頼った航行になっていました。
今度の海光丸Uのエンジンは船外機です。船外機はあまりあてに出来ません。
6馬力ですから波が穏やかな時でもせいぜい4ノットでしょうし、波が少し高くなれば全く役に立たないでしょう。
先代海光丸では1日に40ないし50マイル航行していました。
しかし海光丸Uでは1日にせいぜい20ないし30マイルがいいところでしょう。
このことを前提に寄航する港を選定して計画を立てることにしました。
しかも海光丸Uでは航行水域を沿岸としました。そのため大きな湾の場合横断出来ません。
例えば伊豆半島先端の港、妻良港から駿河湾を横断して御前崎に行くことが出来ないのです。
御前崎に行くのに伊豆半島西岸を北上して、清水港あたりまで行ってから御前崎に向かう
ことになります。つまり先代海光丸の場合より、同じ目的地にたどり着くのに倍以上の日数を
必要とすることになります。
航行水域を岸から20マイルまで離れることが出来る「沿海」で船舶検査を受けて取れば駿河湾を
横断できますし、その他の海域でもショートカットして時間短縮できますが、敢えて海光丸Uでは
航行水域を「限定沿海」及び岸から5マイルまでの「沿岸」で航海することにしました。
そのため奄美諸島や沖縄には残念ですが行けません。
しかし北海道には渡れます。下北半島の北端にあるマグロで有名な大間の沖に弁天島が
あります。この弁天島から北海道の汐首岬までが10マイルを僅かに切ります。
従ってこのコースをたどれば函館にも行けることになります。
でも津軽海峡は18フィートではチョット心細いな〜!!!
と言っても本州を一周するためには津軽海峡は通らざるを得ないのだ。 ということで今回の航海は
本州一周 時々四国、九州、北海道 となります。
しかし残念。2009年と2010年で四国と九州は達成できましたが、2011年航海を継続することが出来なくなって
しまいました。北陸、東北、北海道には今年行くことが出来ません。では来年2012年は?それも不透明なのです。
何か新しい展開がありましたら掲示板などで公示いたします。
航海の方針
方針としては先代海光丸のを受け継ぎ
1.シングルハンドである。従って無理は絶対にしない。
2.1日の航程は原則として20ないし30マイルとする。
3.朝5時の気象庁発表の天気予報を取り出航か日和待ちかを判断し、出航の場合
5時半には出航し午後2時ないし3時には次の港に入港する。
従って通常起床は4時から4時半
どんなに遅くても次の港に午後4時までに入港できるように、5時前の早朝出航はあり得る。
4.早朝出航はあり得るが、オーバーナイトの航行はしないこととする。
それと 「事故を起こさず無事に母港に戻ること」 を目標としています。
若さんは冒険家ではありません。しかしこの海光丸Uでの航海には冒険的要素もあると思います。
冒険には危険がつきものですが、危険には2種類あります。一つは予知出来ない危険です。
もう一つは予知出来る危険です。予知出来ない危険は能力或いは技量で乗り切るしかありません。
予知出来る危険を予め調べておかないとしたら、それは冒険ではなく単なる無謀でしかありません。
つまり座礁の危険性が高い寄港地関連の情報は出来るだけあらかじめ集めておくことにしました。
情報が少ない場合には事前に寄港地を陸路で見に行くこともあり得ます。
その一つの例として先代海光丸での最初の出港に先立ち、当時2001年には遠州灘の福田漁港の情報が
ほとんど無かったので電車とバスをを乗り継ぎ福田漁港を見に行きました。
海図も縮尺の大きいのしか無かったので、海底地形図などで港口付近があまり浅くない事などを確認しました。
その後福田漁港に海光丸で3回寄航しました。問題はありませんでしたが、近年福田漁港に入港しようとして
遭難したヨットが2件あったと聞いています。詳細は不明ですが教訓として受け止めることにします。
寄航してみたい湊
1.「フーテンの寅さん」の撮影が行われた地域の海辺
| 第6作 | 長崎県 | 五島列島 福江島 | 玉之浦 | 近くの荒川漁港に温泉あり |
| 第7作 | 青森県 | 深浦町、鯵ヶ沢 | 深浦は前回訪問済み | |
| 第13作 | 島根県 | 温泉津 | 前回訪問済み | |
| 第14作 | 佐賀県 | 唐津市 呼子町 | 呼子 | |
| 第20作 | 長崎県 | 平戸島 | 平戸と田助漁港 | 平戸は前回訪問済み |
| 第27作 | 広島、長崎 | 大崎下島、対馬 | 大長の北掘、、厳原 | 北堀と厳原は前回訪問済み |
| 第29作 | 京都府 | 伊根 | 前回訪問済み | |
| 第31作 | 新潟県 | 出雲崎 | 佐渡小木港 | 小木港は前回訪問済み |
| 第34作 | 鹿児島県 | 枕崎市 | 前回訪問済み | |
| 第35作 | 長崎県 | 新上五島町 | 青砂ヶ浦の教会 | |
| 第45作 | 宮崎県 | 青島、日南市 | 油津港 | 前回訪問済み |
| 第46作 | 香川県 | 三豊市詫間町 | 志々島 | |
| 第48作 | 鹿児島県 | 奄美大島加計呂麻島 | 諸鈍の浜 | 前回訪問済み |
2.「にほんの里 100選」に選ばれた里で近くに海辺のある里
| 静岡県 | 松崎町 | 石部 | 海に面した石組みの棚田 | 船溜りは浅く係留不可 |
| 三重県 | 尾鷲市 | 須賀利町 | 海から山へ瓦屋根が壮観 | |
| 岡山県 | 笹岡市 | 真鍋島 | 黒壁の家並が続く漁村 | |
| 広島県 | 尾道市 | 因島重井町 | 山すそを白く埋める除虫菊と、石仏群 | |
| 山口県 | 上関町 | 祝島 | 耕作放棄地で放牧養豚 | |
| 愛媛県 | 宇和島市 | 遊子水荷浦 | 空へかけのぼる段々畑 | |
| ゆすみずがうら | ||||
| 宮崎県 | 延岡市 | 北浦町 | 日向灘の巻き網と茶畑 | |
| 佐賀県 | 唐津市 | 呼子町加部島 | 防風林が守る畑地景観 | |
| 熊本県 | 天草市 | 五和町二江 | 素潜り漁とイルカ観察 | |
| 石川県 | 加賀市 | 橋立町 | 北前船の船主の集落 | |
| 富山県 | 黒部市 | 生地 | 黒部の伏流水と海の幸 | 橋があり港には入れない? |
| 秋田県 | 八峰町八森 | 伝統食のハタハタを復活 | ||
| 青森県 | 佐井村福浦 | 山迫る漁村で歌舞伎伝承 | ||
| 宮城県 | 女川町 江島 | 漁港の急斜面に民家が密集 |